旅の危険と安全

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江戸時代の旅行用心集       起歴史民族博物館収蔵

海外旅行というと、特に自由旅行は「安全ですか?」とよく聞かれる。一人旅をすると「度胸があるね」と言われるほど旅にトラブルはつきものだ。日常生活から脱出して未知の世界へ旅立つのが、自由旅行の最大の魅力の1つで、考え方の1つとして、海外自由旅行におけるトラブルと魅力は表裏一体の関係とも言える。しかし、そうはいっても、トラブルは避けたいもの。トラブルを避けるために知恵をこらし、トラブルに遭う度に、解決に知恵を搾り、いつしか、パワーアップし、たくましくなっていく自分に自信をつけ、そうして人生が楽しくなっていく。そんな自由旅行を目指して、旅ウィキでは、トラブル対策のための旅行者の旅行技術を解説する。高価なパッケージツアーでは、企画した旅行会社に安全の責任がかかるため、さまざまな対策が立てられているが、それだけに、その国の現実は見えにくい。自由旅行では、その国の現実を知ることができる喜びがあるが、トラブルを回避するためには、自分の知識と旅行技術を高めることが要求され、それを調べることも、その国を知ることの一端であり、旅行の一部なのである。一般のガイドブックでは、あまり、旅行中の危険について書くと、旅行者が怖がって、行きたくなくなり、本が売れなくなるので、危険情報はあまり書かれていないが、旅ウィキは、自由旅行者のメリットが最大にになることが目的の、自由旅行者による自由旅行者のための自由旅行ガイドの性格上、安全情報を重視している。

生命の安全に関わる旅行中の危険

戦争・暴動・テロ・自然災害

傾向と対策

連日のように、世界の紛争、テロ、自然災害の報道が流れているため、それらの国は、事件から数年の間、旅行などできないのではないかという印象を持つ人も多い。同時に、自然災害や戦争が起きた国でも、観光産業に携わっている人たちは、復興や平和のためにも1人でも多くの旅行者が来てほしいと願っている人々もいる。東日本大震災は、日本人にそんなことを考えさせるきっかけとなった。旅行中これらの危険に出くわす確率はきわめて低い。地震国日本の方が危険なぐらいだ。戦争や紛争、自然災害でも台風など前触れのあるものは、外務省サイトや気象情報などで知ることができるし、単なる観光目的なら、危険度が高い地域の旅行はできれば避けたいが、かといってそういう悲惨な現実のある国々でも、自然、歴史、人々、文化などの旅の魅力の尽きない国々は多くある。旅ウィキでは、外務省海外安全ホームページWiki-w.jpg世界平和度指数など、最低限知っておきたい危険情報をお知らせしつつ、各自が対策を取って旅行できるよう体験談などもリンクして紹介していければと思う。

殺人

傾向

見知らぬ国における危険で、だれもが警戒し恐れるのは、他人に殺されてしまう恐怖である。日本は、殺人による死亡の比率が世界でも低い国の1つで、日本人が海外に1人で出ると、「殺されはしないかね?」などと自由旅行を怖がる理由の1つになっている。最近の話題では、トルコのカッパドキアを旅行していた女子大学生が、自転車が犯人の乗っていた車に接触したと言いがかりを付けられ殺された。こんな事件が発生すると、トルコに女の子が自由旅行で行くのは危険というイメージが、瞬く間に日本中に広がる。たしかに、トルコ日本より殺人の発生率は高いが、トルコで殺人で殺される確率は日本にいて交通事故で死ぬ確率とあまり変わらない。殺人は話題性があるので必ずマスコミで報道され、目にとまりやすいし、旅行者にとっても最も恐ろしい犯罪であるが、日常生活であれ、自由旅行中であれ、発生する確率は低く、対策はなおざりにされがちである。国ごとの危険度については、人口10万人あたりの殺人件数などが参考になる。このグラフによると、先日女子大生の殺されたトルコでの殺人発生件数は、人口10万人あたり、年間3.8人で日本の人口に換算すると4560人で、2011年に日本で交通事故で死亡した人より少ない。その事件がきっかけで、楽しみにしていたトルコ自由旅行を中止したとしたら、愚の骨頂ということになる。(交通事故のニュースをみて、日本で自家用車での旅行を中止するようなもの。)最近、新婚旅行の夫婦が強盗に襲われ、夫が殺されたエクアドルのように、かねてから殺人事件発生率が高いと旅行者から恐れられている南米の国でも、昭和のころの日本の交通事故死者数と変らないのである。

対策

外務省の海外安全ホームページで、渡航先の国で起こった過去の事例を見ておく必要がる。また、一般常識的知識を下記に記載するので、心得ておく必要がある。殺人は、相手を怒らせたときやその人の物を盗りたいとき、あるいは性犯罪で起こる可能性が高い。どこの国でも殺人は最高レベルの犯罪であるで、殺人犯とて、そうやすやすと人を殺したりできない。強盗の場合は、すぐに渡せる小銭を用意しておくのがよい。日本でもそうだが、多額の現金を持っていて、抵抗すれば危険は高まる。カードやトラベラーズチェックにしておけば、再発行すれば旅行はつづけられる。だから、相手が凶器を持っている場合は、勝つ自信があっても抵抗しないことが重要だ。小銭で納得しない場合は、腹巻きごと渡す覚悟も必要。また、女性の一人旅で、知らない男性に声をかけられてもついて行かない、夜、怪しい場所に1人で行かないなど、日本でも常識的なことを海外では、厳格に適用する必要がある。近年ではルーマニアで深夜空港に1人で着いた女性がタクシーの運転手に殺された事件、タイチェンマイで、深夜、宿泊場所がみつからなかった女性が殺される事件などあったが、いずれも深夜、人気のないところで女性の1人旅がねらわれた犯罪である。1人旅の女性は、夜1人で外出しないのは常識的であるといっていい。(海外は恐ろしい場所という誤解を解くために上げるが、近年日本でも、大阪で酒に酔った日本人が無関係のネパール人を突然殴り殺したり、東京のストーカー殺人、秋葉原の通り魔殺人など、いくつかの無慈悲な殺人事件が起こっている。)旅行者は、データや事例などなどを調べて、事前に予防するための科学的的知識と好意と悪意の区別など犯罪の臭いを嗅ぎ分ける感覚を持つことが重要になる。

事故

傾向

自動車による交通事故は、どこの国でも危険性は高い。列車事故や飛行機事故でもないかぎり、話題性が低いので報道されない場合もあるが、その国の交通ルールを知らない旅行者は、自分が運転する場合でなくとも、交通事故に巻き込まれる可能性は低くない。また、被害にあっても、十分な保証がされず、言葉の問題もあって、その後の二次トラブルが発生する場合も多い。列車事故や飛行機事故は、テロ事件や旅行者が殺人事件に巻き込まれるケースと同じで、センセーショナルな報道でその国の列車や飛行機は危険という風評被害を生みやすいが、どこの国でも公共交通機関の安全性の確保は、重視されており、プロが運転整備する列車や航空機、船舶の事故は、テロに遭遇する危険と同じで、無視していいほど小さい。たまたま、遭遇すれば、運が悪かったとしかいいようがない。日本の国内旅行で地震に遭遇する確率と同じぐらいかむしろ低い確率である。

対策

飛行機事故や列車事故は、一旦起こると大災害になり話題性も高いので何日も報道され、飛行機を怖がる人も多いが、自由旅行者がなにかの対策を立てたりすることはきわめて難しい。非常口の近くに予約するとか、事故率の低い航空会社や機材を選ぶとかいろいろなことが考えられるが、発生する確率は、他の危険より少ないので、そこまでする人は少ない。せめて、客室乗務員の避難の説明をよく聞いておくことと、列車やバスなどでは、非常ブレーキや、ドアの開け方など乗客が非常の際に行うことができる行為を確認しておこう。交通事故は、地元の人の行動をよく観察して対策をとりたい。また、地元の人が、赤信号で渡っているからといって同じような行動をとれば、なれてない人は危険である。夜は、反射板や懐中電灯、白っぽい服装など、日本で、老人が道を歩くときの対策は大いに参考になる。最近一般的になってきたレンタサイクルなど、軽車両として決して安易に考えないことである。日本同様交通ルールを守らないときわめて危険であるので、その国の交通ルールの説明をよく聞いておく必要がある。

病気

傾向

この危険の確率は決して低くはない。海外のパッケージ旅行に参加すると生水や生野菜は口にしないで下さいと口を酸っぱくして言われる。特に自由旅行者は、好奇心や冒険心から、屋台の食べ物や庶民的レストランの食べ物を口にして、おなかを壊す確率は極めて高い。また、地元の人が食べても何ともない食事でも、腸内菌や抗体の構成が違うために、日本人が食べると腹が下る場合もある。筆者も何回か下痢をした経験がある。下痢ぐらいなどですめばよいが、流行性の病気に感染したり、時には死に至る病に旅行中にかかる場合もある。海外旅行保険の掛け金が傷害死亡に比して疾病死亡の掛け金が著しく高いことからもその危険の高さがうかがい知れる。

対策

  • 旅行の楽しみや予算との関係で、必ずしも日本の基準に照らして衛生的でない食物に手を出さないことをすすめる訳ではないが、伝染病の流行や常備薬の携行、基礎的な衛生チェックなどの対策は常識である。生水は飲まない。火を通してある物を食べる。サラダや刺身は中・高級レストラン以外では食べないなどの一般常識も心得ておく。
  • 伝染病が流行している地域で、当局が把握しているものは、外務省、海外安全ホームページに掲載されている。旅行先の該当ページの事前チェックが必要。

若者には、日本人には多少不衛生と思われる場所でも、地元の人が食べているなら積極的にトライすることをおすすめするが、腹が下るぐらいの覚悟は必要。

経済的被害や旅行の継続が困難になる危険

盗難

傾向

旅行中最も遭遇する確率の高い危険として、盗難がある。旅行者は、多額の現金を持ち歩く場合があるし、日本人は、日本が比較的安全だけに無防備の人が多くねらわれやすい。また、一人旅の旅行者は、注意をそらすのが容易であるし、特に女性は、抵抗する力が弱いと思われているので、ねらわれやすい。また、一過性の観光客は、旅行日程に差し支えるので、少額の現金を盗まれた場合でも、盗難届を出さない人も多く、捕まりにくいのも旅行者がねらわれる理由の1つである。混み合った電車やバス、地下鉄内でのスリ、人気のない場所での強盗やひったくり、空港、レストラン、観光地での置き引きなど、自由旅行、特に1人旅では十分な対策が必要である。

対策

  • 普段使う財布には、朝、その日利用する現地通貨とよく使うクレジットカード1枚とその日両替する予定のトラベラーズチェック、パスポートコピー以外入れないようにする。それ以外の現金、外貨、クレジットカード、パスポートなどは、衣類の下のマネーベルトその他の自分の肌で所在が確認できる場所に身につけていなければならない。ドミトリーなどホテルで寝る場合も同様である。ホテルのセーフティーボックスを利用する場合でも、鍵は、必ず身につけていなければならないし、簡単に合い鍵ができるようなセーフティーボックスは信用できないものもある。普段使う財布でも、ズボンのうしろのポケットは危険である、必ず前ポケットを利用する。
  • カメラやガイドブック、日程表や鉄道パスなど、準貴重品が入ったサイドバックは、たすきがけで、満員電車などでは前に抱えて持つ。カウンターで話をするときも、前にかかえて話をする癖をつける。デイパックも、電車やバスの中やカウンターで話をするとき、列に並んでいるとき、椅子に座って待っているいるとき、他人に話しかけられたときなどは、前に掛ける癖をつける。
  • マネーベルトからの出し入れは、必ず、ホテルの部屋やトイレで行い、人前では絶対にしない。
  • 個室のホテルに泊まる際は、夜寝る前に必ず、窓の鍵や入り口の鍵をチェックする。
  • ロッカーのないドミトリーや列車の中で、見えないとところに荷物を置く場合は、チェーンロックをかける。

なれないと防犯対策は、苦労するが、癖にすれば何のことはない。人を見たら泥棒と思えでは、旅の楽しみは半減するが、これらの癖を身につけた人に泥棒さんは近づかないという予防効果もある。スキのある人がねらわれるのである。

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